通信制大学から心理系大学院 合格までの道のり

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国立大学院に合格した研究計画書の作り方①(スケジュール編)【公認心理師対応大学院受験】

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最終更新日:2024年1月14日

投稿日:2022年2月27日

 

今回は、臨床心理士指定大学院・公認心理師対応大学院を受験するために作成する必要のある、研究計画書の作り方を説明します。

自分は、通信制大学の心理学科へ3年次編入、心理学の卒業研究の執筆経験なし、研究室やゼミの所属無し、指導教官不在、心理学を勉強している先輩や教えてくれる人が周囲にいない、という条件の下で研究計画書を作成しました。

 

研究計画書を作成するために、予備校の存在がかなり大きいものとなりました。

今回は「スケジュール編」として、自分が研究計画書を作成した手順や添削依頼、研究室訪問のタイミングなどをまとめます。

 

 

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期間

研究計画書のテーマ決めから完成まで、かかった期間は約1年でした。

研究計画書の作成にはとても時間がかかるため、早めに動き始めることをおすすめします。

 

1.予備校で授業を受ける

取り組んだ時期:院試 1年2か月~8か月前

勉強を始めた段階で、研究計画書の作成の方法はおろか、先行研究の調べ方や論文の読み方など、基本的な研究についての知識が一切ない状態でした。

通学していた聖徳大学通信制課程では、研究について教えてくれる授業はなかったため、予備校に通い、研究計画書の作り方を教えてもらうことにしました。

心理学ならではの研究のお作法があり、それを独学で学習することは本当に難しかったと思います。予備校に課金をして一番有難かったのが、研究計画書の作り方について授業をしてくれたことでした(別に予備校の回し者ではありません)。

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2.テーマ選び

取り組んだ時期:院試 1年半~1年前

研究計画書の作り方について、学びながら、自分のやりたい研究テーマを選びました。

自分の経験から気になることを書きだしたり、友人との会話にヒントを得たりしました。とにかく思いついたアイデアは、実現可能性を問わず、「研究ノート」にメモするようにしました。

 

また、少しでも心理学と関わりのありそうで読みたいと思った新書を手当たり次第に読み、研究したいと思うような事柄に少しでも多く触れるようにしました。

新書を選んだ理由は、一般人でも読めるようなレベルの文章や内容で書かれているからです。専門書だと、内容が難しかったり、量が多かったりして、読むためにかける労力があまりにも多く必要になりました。

心理学の初学者だったので、とにかく「サクッとたくさんの量に触れられる」という理由から、新書をたくさん読みました。

 

大学の図書館へ行き(聖徳大学の図書館は論文・専門書共にとても充実しています)、学会が発行している雑誌や論文を読みました。とはいえ、雑誌コーナーを徘徊して、興味をそそられたタイトルの学会誌を読んでみる、面白そうな論文を読んでみる、といった感じでした。

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テーマ選びは、大学院の志望校や指導教官選びに直結してくるので、できるだけ早めに決めようと思い、行動していました。

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3.先行研究調べ

取り組んだ時期:院試 1年2か月~完成まで

ざっくりとテーマが決まったら、先行研究を調べました。先行研究の調べ方については、他の記事で詳細に書く予定です。

先行研究を調べる上でも、聖徳大学の図書館にとてもお世話になりました。

研究計画書を完成させるまでに、先行研究として100個以上の論文を読みました。

先行研究は、読んだすべての論文をエクセル上でデータベースとしてまとめ、すぐに引用できるようにデータを整理しておきました。(おそらく、文献をまとめるためにもっと便利なアプリやツールがあると思います…自分はすべてエクセルで管理していました)

先行研究は、随時新しいものを仕入れるために検索を繰り返していました。そのため、研究計画書が完成するまで、ずっと付き合う作業でした。

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4.研究計画書を書いてみる

取り組んだ時期:院試 1年前~完成まで

先行研究がある程度揃ったら、見よう見まねで研究計画書を書いてみました。

書き出さないと始まりません。研究計画書を書くために、たくさんの先行研究を読みました。

独立変数や従属変数、調査対象、調査方法、使用尺度などを少しずつ決めていきました。

現時点でこれらの用語の意味が分からない人は、研究計画書の作成方法を学ぶ必要があります。使用した参考書はこちらにまとめました。

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5.研究計画書の参考書を読む

取り組んだ時期:院試 8か月前~完成まで

予備校の授業だけでは知識が足りなかったため、研究計画書の作成方法について解説されている参考書を複数読みました。

この時に読んだ参考書については、別の記事にまとめてあります。

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また、最初はさっぱり意味が分からなかった、研究法や統計学の勉強が、研究計画書の作成に活きてくるようになりました。

文献の引用の仕方は、書いてある書籍によって体裁が異なるのですが、自分は心理学会のHPを参考にしました。

psych.or.jp

6.添削依頼

取り組んだ時期:院試 8か月前~3か月前

ある程度研究計画書が形になってきた段階で、予備校や友人、先輩に添削依頼をしました。

予備校には合計4回、文系博士課程(専門は心理学ではない)の友人に2回、大学院の情報を集める中で仲良くなった修士課程の先輩2人に1回ずつお願いをしました。

順番として、予備校1回目→予備校2回目→文系博士課程友人1回目→予備校3回目→心理系修士課程先輩2名→(本命大学院の研究室訪問)→文系博士課程友人2回目→予備校4回目→完成といった流れでした。

 

添削の形式として、予め研究計画書をメールで送り、目を通してもらってから「赤字やコメント機能を使用して添削してもらう」か「zoomや通話をつなぎ、直接アドバイスをもらう」といった方法ととっていました。予備校では対面で添削してもらうこともありました。

直接アドバイスをもらう場合、メモすることがたくさんあるため、PCを使ってメモしたり、研究計画書を印刷して持参し、赤ペンで書きこんでいく、といった方法を取りました。

 

修士課程の先輩との出会い方、大学院の情報の集め方などについてはこちらの記事にまとめてあります。

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7.修正

取り組んだ時期:院試 8か月~3か月前

研究計画書を添削してもらったら、その次に修正をします。

添削者によって、さまざまな思想や考え方があるので、すべての意見に振り回されてしまうと、収拾がつかなくなります。そのため、添削時に書いてもらった意見を取り入れるか、自分の意見を貫くか、など考えることがたくさんあります。

また、随時先行研究を振り返ったり、新しく論文を探す必要が出てきます。

苦しいですが、とても楽しい時間でした。

 

8.研究室訪問

取り組んだ時期:院試  4か月前

研究計画書が7割程度完成した段階で、志望校の研究室訪問を行いました。

自分が研究室訪問をした先生は、「研究計画書を持参して内容を見てくれる」先生だったので、当日、研究計画書を持参して意見をもらいました。

この時に頂いたアドバイスがとても重要になりました。先生の得意とする研究手法と近いのか、指導できるのか、また、試験官としてどのような点に注目して研究計画書を見るのか、といったことが、先生との会話の中で見えてきます。

研究室訪問でいただいたアドバイスを元に、再度修正を重ねました。

 

また、大学院生と話せるタイミングで、入試の時に提出した研究計画書の体裁の詳細について質問しました(引用文献は文字数に入るのか、文字の大きさなど)。

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9.完成

取り組んだ時期:院試の3か月前=願書提出1か月前

入学願書の提出の1か月前には、研究計画書を完成させました。

研究計画書の文字数や体裁は、大学院によって異なります。そのため、受験校に合わせた文字数で完成させる必要があります。

複数の大学院を併願する場合、それぞれの大学院の体裁に合わせた研究計画書を作成する必要があります。そのためにも、かなり時間がかかります。

研究計画書は、願書を提出するまでに完成させておく必要があります。スケジュール管理は、しっかり行いましょう。

 

10.面接対策

取り組んだ時期:院試1か月前

願書を提出した後、面接対策を行いました。

面接対策は予備校で1回、人事部で働いている友人(修士課程進学経験は無し)に1回、博士課程友人(文系の修士課程入試・博士課程入試経験済み)に1回、付き合ってもらいました。

尺度水準の詳細を詰めたり、研究内容について2~3分で説明できるようにしたりしました。

また、想定問答集を作成し、様々な角度から質問されたときに答えられるように準備しました。

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自分が大学院に合格できたのは、研究計画書を早めに完成させておいたおかげで、心理学や英語などの筆記試験の対策に、直前期に十分に時間を使うことができたからだと思っています。

早い段階で研究計画書が完成できるように、計画的に動けると合格が近づくと思います。

 

次の記事では、研究計画書を作成するときに役立った参考書を紹介します。

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