最終更新日:2024年8月27日
投稿日:2022年3月3日
公認心理師・臨床心理士を目指して大学院受験をする人向けに、心理学の研究計画書の作成に役立つ参考書をまとめました。
心理系大学院受験の入試では、研究計画書が重視されますが、ほとんどの人は研究計画書を作成した経験がなく、苦労すると思います。
この記事では、難関国立大学院に合格し、修士論文を執筆した筆者が、研究テーマの選び方から、実際に研究計画書を作成する上で必要なルールや考え方などを学ぶために使用した参考書を紹介します。
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研究計画書の作り方が知りたい人におすすめ
「研究計画書を作ろうと思うけど、何から手を付けたらいいの?」「そもそも心理学の研究って何?」と感じている人におすすめの本を紹介します。
基本的な考え方や知識を入れて、手を動かしていく際に参考になると思います。初学者でも読みやすい本をまとめました。
合格ナビ!公認心理師・臨床心理士大学院 [研究計画書]
大学院受験を決めた直後に購入した本です。これを購入した時点では、まだ予備校には通っていませんでした。
臨床心理士指定大学院の受験や、研究計画書の作成方法について書いてあります。
研究計画書の添削をするときの指導例が書いてあるので、どのような点に注意して研究計画書を作成したらいいのかなどが学べます。
また、大学院生活や就活など、大学院入学後の生活を想像できるようなコラムも載っているので、大学院生活について知りたい人も読んでみるのをお勧めします。
三訂版 心理学論文の書き方 卒業論文や修士論文を書くために
心理学の研究とはどのようなものかについて知りたい人、これから心理学の論文を書く人に強くおすすめしたい本はこちらです。
上で紹介した本は、「研究計画書」の書き方について焦点が当てられており、この本は「心理学の論文」の書き方に焦点が当てられています。
はじめて心理学の論文を書く自分にとっては、ちょうどいい内容と難易度の参考書でした。
特に、「1章 論文の構成」は文体や用語の注意などが記載されています。これは、論文だけでなく研究計画書を作成する上でも必ず押さえるべきルールなので、しっかり学び、研究計画書に反映させる必要があります。
また、「2章 表題から研究史まで」や「3章 目的」に関しても、研究計画書内で論じる必要のある項目です。引用上のルールや考え方なども、具体例とともに掲載されているので、手元に1冊あって損はないと思います。
また、個人的には、コラムの「修士論文や学会発表での注意点」がかなり参考になっています。大学院進学を目指す人や、その後研究者になりたいと考えている人は、修論や学会の雰囲気やスケジュール、注意点なども知ることができるのでおすすめです。
また、この参考書は、新しく三訂版が発売されています。かなり多くの心理学を学ぶ学生から支持されている参考書であると考えられます。
また、修論執筆時にもかなり役立つ参考書なので、研究計画書作成から修士論文執筆まで、長く使える本です。です。
筆者も論文を書くときに、手元に置きマニュアル的な使い方をしており、大変お世話になっています。
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心理学研究法 補訂版
大学の教科書として指定された本です。心理学の研究を実施する上で必要な基礎的な情報がまとめられています。
最初は慣れない専門用語ばかりでとっつきにくいですが、研究計画書の作成を進めていくうちに「ここに書いてあったことはこういうことだったのか!!」と感激する機会が増えました。
予備調査やデブリーフィングなど、心理学の研究において重要となる概念について、詳しく書いてあります。
最初は心が折れるかもしれませんが、何度も繰り返し読んでいくと、理解が深まると思います。
自分は、院試の筆記試験対策(統計学・計画法)の参考書としてもこの本を活用していました。
調査研究の方法(臨床心理学研究法5)
上の参考書で足りない部分を補うために、こちらの本を読みました。
心理学の研究の中でも調査研究について詳しく解説されています。調査研究として、面接調査や質問紙調査の実施方法や、測定尺度の作成方法についても書いてあります。
調査研究の種類や進め方など、研究計画書を作成するときにとても参考になりました。
逆引き!心理学研究法入門
研究がしたいけど、何をどう進めたらいいか分からない人、どこから手を付けたらいいか途方に暮れている人におすすめの1冊です。
2024年3月に発売された新しい本ですが、目を通した後に「私が研究計画書を作るときに手元に欲しかった!」と強く思いました。
フローチャートやイメージ図が多く、視覚的に研究について学べるので、文字ばかりの参考書に疲れている人にもおすすめです。
また、「こんな研究がしたいな~」と漠然としたイメージがある人は、フローチャートに沿って読み進めていくだけで、「こんな手順で、こんな研究の方法がある」ということをイメージする助けになります。
研究計画書の作成では、「○○が知りたいけど、どの研究法・分析法を使えばいいか分からない」という壁に当たる人が多いと思いますが、その課題を解決できる参考書です。
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量的研究をしたい人におすすめ
質問紙調査を行うために、測定したい心理尺度の中身を知りたいときがあると思います。
先行研究の質問項目は、論文に掲載されていない場合も多くあるため、自分で探す必要があります。
自分は、心理測定尺度集を活用していました。信頼性・妥当性の確認にも使用できます。それぞれ高価な本なので、大学図書館等で借りて、自分が必要な心理尺度を探すのも良いと思います。
心理学の尺度が掲載されているため、パラパラとめくるだけでもかなり面白いです。
心理測定尺度集1
自己概念、自己意識、自我同一性といった、自己や個人内の過程についての質問紙が掲載されています。
心理測定尺度集2
対人関係や価値観についての質問紙が掲載されています。
心理測定尺度集3
心の健康を測定するための適応や臨床についての質問紙が掲載されています。
心理測定尺度集4
子どもの発達を支える対人関係や適応についての質問紙が掲載されています。
心理測定尺度集5
社会における自己や対人関係、価値観が測定できる質問紙が掲載されています。
心理測定尺度集6
現実社会における集団や組織、適応について測定できる質問紙が掲載されています。
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質的研究をしたい人におすすめ
インタビューなどを通して、質的研究をしたいと考えている人におすすめの参考書をまとめます。
臨床現場で役立つ質的研究法
学部生でも読める内容で、質的研究の基本的な内容や分析方法が書かれています。
自分の研究にあった分析方法を探すのに役立ちます。
質的研究法マッピング
研究計画書に分析方法を載せたいけど、どの分析法を使ったらいいのか分からない…という人におすすめの本がこちらです。
最初のページにのっている「マッピングの表」を参考に、自分の研究にフィットした分析方法を探すことができます。私は修士論文を書くときにものすごくお世話になりました。
また、筆者は研究計画書は量的研究で書きましたが、修士論文では質的研究を行いました。
修論を書くときに役立った本はこちらの記事にまとめているので、質的研究で研究計画書を作成する人は参考にしてください。
心理統計の勉強
先行研究を読んだり、自分の研究計画の解析方法を決定するためには、統計学の知識が必須となります。
心理統計について学んだ参考書は下記の記事で紹介しています。
まとめ
今回は、研究計画書を作成するときに使用した参考書をまとめました。
参考書を読んでも、最初は何が書いてあるのかさっぱりわかりませんでした。
研究計画書を書く→参考書を読む→研究計画書を書く→参考書を読むといったように、繰り返し取り組むことで、少しずつ書いてある内容が理解できるようになりました。
研究テーマを決めるときには、今までに読んだ小説などがヒントになったりもしました。
研究計画書作成は大変ですが、心理系大学院への合格のためには避けては通れない道です。面接でも研究計画書について問われるので、手は抜けません。
研究計画書を作成するまでのスケジュールは、こちらの記事に書いてあるので、この記事も参考にしてください。
研究テーマを決めるときに考えたことはこちらにまとめています。
研究計画書の作成は、最初は手探りで大変だと思います。
私は予備校に添削してもらいながら、なんとか合格水準まで研究計画書の質を上げることができました。
また、心理学の卒論を書かずに、大学院へ進学しましたが、無事に修論を書くこともできました。修論を書いたときの感想はこの記事で読めます。
このサイトには、大学院受験の勉強法(心理学・英語・統計学)や、研究計画書、面接対策、研究室訪問などについてまとめてあります。
自分のあった記事を探したいときは「サイトマップ」が便利です。
更新情報はTwitter(@mtmt_yama_)をチェックしてください。
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