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聖徳大学心理学科 科目別の感想③(心理的アセスメントⅠ・Ⅱ・Ⅲ・臨床心理学概論)【通信制大学】

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最終更新日:2024年1月7日

投稿日:2022年3月20日

 

この記事では、聖徳大学心理学科の中でも苦戦する人の多い「心理的アセスメントⅠ」「心理的アセスメントⅡ」「心理的アセスメントⅢ」と、「臨床心理学概論」の感想をまとめます。

個人の独断と偏見で、「優先度」「難易度」や使用した参考書や勉強のヒントを書いています。当然ですが、試験やレポートの解答は載せていません。

また、筆者在籍時の情報のため、スクーリングや試験の形式は異なる可能性があります。各自最新の情報を確認してください。

 

 

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心理的アセスメントⅠ

優先度:★★★

難易度:★★★

 

「三大難関科目」であり、個人的に超トラウマな科目です。聖徳大学で一番苦戦した科目です。

レポートは簡単なのに試験が難しすぎて、3回連続で不合格となり、心がぽっきり折れました。

 

試験に不合格になったときの対処法やメンタルケアについては、こちらの記事にまとめました。

psychology-study.com

 

教科書1冊だけでは、試験は突破できません。初学者が試験で問われる問題に対して、教科書に書いてある内容のみで解答を考えても、合格は難しいと思います。

心理検査やアセスメント、テストバッテリーなどに関する知識を広く学びながら単位を取りに行く必要があります。

問われている用語や概念の定義を確認するのはもちろん、臨床心理学の中でどのような位置付けなのか?試験で問われている真意は何か?などを考えながら取り組みましょう。

 

試験に落ち続けている人は、先生に質問用紙を送ってみるのも一つの手です。

毎回問題が変わるので、テスト期間は「心理アセスメントの対策」のための勉強時間を十分確保しておきましょう。手元に参考書が数冊あると、なおよいと思います。

 

論述の体裁や、議論の展開の仕方なども注意して書きましょう。(レポートの書き方を学ぶ参考書もこの記事内で紹介しています。)

独学で勉強している人に対して、そんなに深い解釈を求めるのか!無理すぎるだろ!!というのが3回連続で落第した筆者の本音です。

 

この科目は、合格しないと受けられないスクーリングが多々あるため、早めに合格を勝ち取っておく必要があります。不合格になる可能性を考慮したうえで、勉強計画を立てましょう。

(2023年2月以降、試験形式が郵送からオンライン実施に変更となり、難易度がやや低下したとの話を聞きました。今後難易度調整がさらに入ると思われますが、スクーリングのテストは大変なので、スクーリングに向けてしっかり勉強しておいたほうが良い科目の1つであることには間違いないと思います)

 

もし自分がこれから心理的アセスメントの勉強をするなら、

1.公認心理師臨床心理士 大学院対策 鉄則10&キーワード100」を読み、アセスメントの全体像をざっくりと理解する

2.公認心理師の基礎と実践 心理的アセスメント(教科書)」「よくわかる臨床心理学」を同時に読みながら、心理的アセスメントの定義、手続き、面接法・観察法・検査法、テストバッテリーなどについて理解していく

3.(テストが難しいと感じたら)「臨床心理アセスメントの基礎 第2版」「臨床心理検査バッテリーの実際」を読みつつ、試験問題を解く

といった手順で勉強を進めます。

 

自分は下記の参考書を購入して、ようやく合格できました。

 

臨床心理検査バッテリーの実際

検査バッテリーやフィードバックの方法などが、具体的な事例を交えながら詳しく解説されている参考書です。

乳幼児期、児童期、思春期、青年期、成人期、高齢期といった発達段階や、医療場面、教育場面、私設心理相談場面、司法場面といった各領域における場面で、どのように心理検査が用いられているのかを学ぶことができます。

聖徳から配布された教科書を読むだけでは、どのような場面で心理検査が使われているのかを具体的にイメージするのが難しいと思います。

具体的な事例を読みながら、心理検査やアセスメントを理解していきたい人におすすめの参考書です。大学院入学後~臨床現場まで長く読むことのできる参考書だと感じています。

 

勉強のポイントとして、「心理アセスメントや検査バッテリーの概要が知りたい」初学者の人には「第2章 臨床心理士検査バッテリーに関する考え方」が特に参考になると思います。

また、「具体的にどのような場面で心理検査を使っているのか知りたい」人には「第2部 発達に沿った検査バッテリー」の「第3章 乳幼児期」から「第12章 高齢期」で興味のあるところを流し読みするだけでも「心理検査ってこんなに種類があるんだ、こんな風に使われるんだ」とイメージしやすくなると思います。専門家向けの本でもあるため、分からない検査の記号や単語が出てくるかと思いますが、よく分からないところはスルーしながら、流し読みしていくのがおすすめです。

 

 

なお、2023年8月に改訂版が発刊されました。新たに作成された心理検査や改定された心理検査の内容が掲載されているため、これから勉強を始める人は、改訂版の購入をお勧めします。

また、改訂版には「3年目の心理職」と「10年目の心理職」のフィードバックの方法の違いが、具体的な面接場面と合わせて載っており、大学院入学後、実際に検査結果をフィードバックする時の参考にもしています。

 

 

 

臨床心理アセスメントの基礎 第2版

心理的アセスメントの基礎について、幅広く学べる参考書です。

教科書の説明だけで、心理アセスメントの全体像がつかめなかった方は、こちらの参考書を合わせて読むことで、理解が深まると思います。かなりかみ砕いて説明されているので、大学院の受験勉強にも活用できます。

上で紹介した「臨床心理検査バッテリーの実際」より基礎的な内容なので、学部時代に学ぶ本としてはちょうどいいと思います。

2020年に刊行されているため、公認心理師制度についても言及されています。

 

勉強のポイントとしては、59ページの「表3-5 臨床心理検査」の一覧表を見て、心理検査の目的と検査の種類の全体像をつかみ、そのあと気になった検査の解説を読んでいくと、より理解しやすいと思います。

また、「心理アセスメントをする目的や概要が知りたい」人は、「第2章 臨床心理アセスメントの方法」を読んでみると、実際の面接場面のやりとりを交えながら解説されているため、イメージをつかみながら理解できると思います。

個人的には、指定教科書よりずっと分かりやすくアセスメントについて書かれている本だと感じており、もっと早く出会いたかった1冊です。

 

 

 

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個人の感想になりますが、個人的には、指定教科書の説明は分かりにくいというか、あまりきれいな日本語で書かれてる感じがしないんですよね…

各章を担当している著者の方が、伝えたい情報がありすぎて、情報を詰め込みすぎている感が強いなと思いました。そのため、初学者だった自分は圧倒されてしまったのかもしれません。重要な用語が太文字になっていないため、自分の探している単語を探すのも一苦労でした。

ある程度心理学に精通している人は理解できるのかもしれませんが、心理学の初学者がいきなり読んでもピンとこない部分が多いかもしれません。

自分の聖徳大在籍時の指定教科書はこちらでした。

 

 

 

自分は心理学とは全く関係ない領域から勉強を始めたので、「アセスメント」という単語を聞くのさえ初めてでした。「アセスメントってなんだよ!意味不明!」と思いながら、教科書と格闘していました。

今思えば、いきなり教科書だけで勉強するのは無謀だったと感じています。(だから3回もテストが不合格になったと思っています…涙)

教科書を読んでも「心理アセスメントとは何か」「心理検査とは何か」ということがピンとこない場合、下記の参考書がおすすめです。

 

公認心理師臨床心理士 大学院対策 鉄則10&キーワード100 心理学編

「アセスメント」という単語に触れるのが初めての人、心理学初学者はまずはこの本から勉強を始めるといいと思います。

「アセスメント」の説明ページもしっかりとあるので、アセスメントの方法の全体像がつかめるはずです。教科書を読んでもピンとこなかった人は、まずはこの参考書を読み、心理アセスメントの目的や方法をざっくりと理解してから、教科書を読んでみるといいかもしれません。

 

 

よくわかる臨床心理学 改訂新版

もう少し丁寧に心理的アセスメントが丁寧に整理されている資料が読みたい場合は、「よくわかる臨床心理学」のアセスメントの該当ページを読んでみるのもいいと思います。

面接法・観察法・検査法の違いや、心理学的アセスメントの段階、手続き、定義などが「公認心理師臨床心理士 大学院対策 鉄則10&キーワード100」よりもかなり詳しく書かれています。

 

 

 

 

心理職は検査中に何を考えているのか?

大学院入学後に読んだ本ですが、かなりおすすめの1冊です。特に「第1章 心理アセスメントとは何か」は、はじめて心理アセスメントを学ぶ人でも分かりやすい言葉、かつ、「実際に心理職が何をしているのか?」という視点で書かれています。

聖徳大学は、授業(スクーリング)が少ないため「心理アセスメント」を体感的に学ぶ機会が限られます。参考書は難しいことが書かれていることも多いですが、この本は初学者でも分かるような表現かつ実践的な内容も書かれているため、興味深く読み進めることができると思います。

大学院入学後、実際に心理検査を取ることになる場面でも非常に役立っています。聖徳大学での勉強に苦労していた時期に読みたかった…!と強く感じた1冊です。

 

 

 

また、不合格となる理由として「レポート・論文の書き方が不十分」という可能性もあります。

レポートや論文の書き方に自信がない人・今まで論文の書き方を学んだことがない人は、こちらの参考書で、論文の書き方を学ぶのがおすすめです。

試験だけでなく、ほかの科目のレポートを書く際にも、役立ちます。

 

最新版 論文の教室 レポートから卒論まで 

今まで論文やレポートを書いたことのない人を対象に、論文の書き方を丁寧に解説してくれる参考書です。

「論文とは何か?」が分からない人や、初めてレポートを書く大学生向けに書かれているため、聖徳大学の学生にぴったりの1冊です。

 

 

 

 

 

 

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心理的アセスメントⅡ

優先度:★★★

難易度:★★★

 

心理的アセスメントⅠに合格後に受講できるスクーリング科目です。

試験が難しいともっぱらの噂。確かにほかの科目と比較すると難易度高めですが、自分はS評価を取ることができました。

時間制限がきついので、オンラインスクーリングの場合、PC操作やタイピングに慣れていないと、別の意味でしんどいかもしれません。

 

オンラインスクーリングでは、Teamsを利用してリアルタイム進行でした。

授業中に出欠確認の点呼を実施したり、ランダムで指名され、顔・音声を出して答えることが要求されたので、移動しながら・離席しながら授業を受けるのは難しいと思われます。

最終日に実施する試験の実施時間も指定されています。試験は、タイムアタック的な要素が大きいです。40~50分で75問程度の問題を解答した記憶があります。(記憶がうろ覚えなので時間・問題数は違うかもしれません)

最近のスクーリングでは毎日授業終わりに小テストが実施されているようです。そのため、毎日予習・復習に取り組みつつ、授業もしっかり聞いておくことが大事であると考えられます。

 

また、オンライン上で配布される資料があるのですが、ダウンロードや閲覧できる期間が決まっており、締切を過ぎると削除されてしまうので必ず事前にダウンロードしておくことをおすすめします。可能であれば印刷して手元に置いておけると安心です。

締切や出欠がシビアであり、授業中もふとした瞬間に呼ばれたり指されることがあるので、落ち着いた環境で1日中時間をしっかり確保して、授業に参加することをおすすめします。

 

 

また、授業中に使用する教科書は、大学から郵送されてきている教科書ではありません。スクーリング前に自分で購入する必要があります。

必ず「聖徳通信」を確認して、教科書をチェックしてからスクーリングに臨みましょう。

自分がスクーリングで使用した教科書はこちらでした。当日持っていないと困ることになるので、必ず購入しておきましょう。授業中はみんなの前で教科書の該当箇所を読み上げてください、といった指示がありました。教科書がないと困ります。(指定教科書は変更となる可能性があるため、必ず「聖徳通信」を確認してください)

心理検査の実施の初歩

 

 

予習必須の科目です。シラバスをしっかり確認し、該当箇所の教科書をしっかり読んでおきましょう。

もし私が、これからスクーリングの試験対策に予習をするのであれば、「臨床心理アセスメントの基礎」「心理検査の実施の初歩」「公認心理師の基礎と実践 心理的アセスメント」の3冊を手元に用意します。

まずは「臨床心理アセスメントの基礎 第2版(ナカニシヤ出版)」の59ページの心理検査の目的と種類の表を見て、全体を把握します。

そして、それぞれの検査内容について、3冊の本を見比べながら、検査の目的・作成者・対象年齢・項目・尺度などを一覧にまとめていきます。知能検査などは、背景となる理論や作成された歴史も一読しておきます(「臨床心理アセスメントの基礎 第2版」の説明が分かりやすかったです)。

自分は、心理検査が書いてある場所がすぐに見れるように付箋をつけたり、心理検査で分かることや対象年齢、項目、尺度などを一覧表にまとめるなどの予習をしてからスクーリングの授業を受けていました。

 

 

 

 

▶スクーリング前に準備すること

psychology-study.com

 

心理的アセスメントⅢ

優先度:★★★

難易度:★★★

 

心理的アセスメントⅡと同様に難しい科目です。確実に合格を取りに行くのであれば、予習必須です。

スクーリング中、かなり脳みそを使うため、おやつをたくさん用意しておきましょう。

 

心理的アセスメントⅡとⅢで共通している範囲もありますが、扱う心理検査が異なります。それぞれのシラバス等を確認して、「今回のスクーリングで扱うのはこの辺の範囲っぽいな…(知能検査や性格検査、描画法など)」とあたりを付けて予習をしておくのがおすすめです。

 

学部在籍中はあまり関係ありませんが、大学院へ進学すると、実際に心理検査を取り、所見を書き、フィードバックをする演習や実習を行います。

心理検査の勉強以上に、心理検査の実施は大変ですが、とても面白いです。

所見の作成や、フィードバックの勉強に活用している参考書がこちらです。

 

 

 

事例がたくさん載っており、心理検査を実際の臨床でどのように役立てているのかや、フィードバック時のやりとりなど詳細に書かれています。

心理検査の具体的な活用方法を知りたい人や、大学院の学びを先取りしたい人におすすめの一冊です。

 

 

 

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臨床心理学概論

優先度:★★

難易度:★

早めに受講しておきたい科目のひとつです。レポート課題とスクーリングの両方があります。

教科書1冊だけで合格できましたが、公認心理師を目指している人はさらに深く「臨床心理学」について学ぶ必要があります。

 

スクーリングの予習をしたい場合、指定された教科書を読んでみるといいと思います。

授業は事前に配布されたレジュメに沿って解説される形式でした。

教科書が難しいと感じたら、こちらの参考書を読んでみるのがおすすめです。

 

公認心理師臨床心理士大学院受験 鉄則10&キーワード100 心理学編

臨床心理学概論の範囲となる、心理療法やそれぞれの学派の理論の基礎を学ぶことができます。イラスト付きで、初学者でも読みやすい日本語で書いてあるので、「まずはイメージから入りたい」「難しい文章を読むのは大変」という方におすすめです。

また、聖徳の他の科目の勉強から大学院受験まで長く使えるので、コスパ最強な1冊です。

 

 

よくわかる臨床心理学

教科書の内容をもっと深く知りたい、他の説明文も読んで理解を深めたい、という方にはこちらの参考書がおススメです。

臨床心理学の全体像から、それぞれの理論モデル、介入技法まで詳しく学ぶことができます。

教科書と同じレベルか、さらに1段階詳しい情報まで学びたい方は、こちらの参考書で学ぶのもおすすめです。

この参考書も、多くの受験生が大学院受験対策で使用しています。

 

 

また、大学院受験で使用した参考書は、こちらで紹介しています。

臨床心理学以外にも、精神疾患心理検査の勉強で使用した参考書をまとめているので、さらに深く勉強がしたい人は、こちらを参考にしてください。

psychology-study.com

 

 

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