この記事では、休職・退職・転職・バーンアウト・燃え尽き症候群など、仕事でつらい思いをした人や場面が登場する小説を紹介します。
なお、この記事で紹介しているすべての小説のメインテーマが休職やバーンアウトというわけではありません。
小説の一部分に休職・退職・バーンアウト・燃え尽き症候群・適応障害・うつなど、仕事に関連する場面が登場しているものを含んでいます。
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仕事でつらい思いをした人や場面が登場する小説3選
晴天の迷いクジラ 窪美澄
デザイン会社に勤めるも、激務と失恋でうつ病と診断される24歳男性の由人。働いていたデザイン会社はあっけなく倒産へ追いやられてしまいます。48歳の女性社長・野乃花は、会社と共に人生を終わらせようとしていたところ、由人に見つかり、ふたりでクジラを見に行くことになります。
さらにそのふたりは、事情を抱えている不登校の16歳・正子に出会い、3人はクジラを見るために旅をしていく物語です。
3人の過去から現在までを追うストーリーとなっていて、苦しさの背景や、クジラと出会うことで救われる一面などを読むことができる小説です。
この世にたやすい仕事はない 津村記久子
ストレスに耐えかねて14年間続けた仕事を退職し、実家に帰って暮らしている30代女性の主人公。失業手当が切れたタイミングで、職安で紹介された「マニアックな仕事」に従事しはじめます。
隠しカメラを使った小説家の監視や、巡回バスのアナウンス作り、町内のポスター張り、森の中の小屋の守り主など、「マニアックな仕事」を転々としていく物語です。
とある職場では、前任者がうつで休職し、その代わりの要員として主人公は仕事をします。
一体主人公はどんな仕事をしていたのか?これからどうするのか?
一緒に働いている人を丁寧に観察する様子や、自分を見つめて少しずつ前に進んでいく様子に、最後は背中を押される気持ちになります。
自転しながら公転する 山本文緒
東京のアパレルブランドで店長として働いていた32歳女性の主人公。
前職での苦い経験による燃え尽きと母の更年期障害が重なり、茨城県の実家に戻り、アウトレットモールで非正規の契約社員として働きはじめます。
結婚の見えない彼氏との付き合いや職場でのセクハラ・正社員へのお誘いなどに悩みながら、前に進んでいく主人公を追うことができます。
アラサー特有の、結婚・出産に進んでいく周りを見ながら抱く複雑な感情や、「これから、自分はどう生きていくの?キャリアは?結婚は?」という壁にぶつかった時の葛藤に共感する人もいるのではないでしょうか。
なお、母の看病のために父も仕事を一時休職し、復職後は閑職へ異動となります。家族それぞれの立場での看病や家族・仕事に対する向き合い方も面白いポイントです。
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まとめ
今回は、休職・退職・バーンアウト・燃え尽き症候群など、仕事でつらい思いをした人や一度挫折した人・場面などが登場する小説をまとめました。
休職・退職・転職などが描かれている背景は様々ですが、「仕事」という切り口から小説を読んでみたい人の参考になれば嬉しいです。
また、「こんな小説もあるよ!」という人がいれば、ぜひコメントなどで教えてもらえたらと思います。
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