最終更新日:2022年8月9日
今回は、聖徳通信心理学科の「発達心理学Ⅰ・Ⅱ」と「社会心理学」「学習心理学」の科目の感想をまとめました。
独断と偏見による「優先度」「難易度」や使える参考書、テスト対策などの感想を書いています。当然ですが、レポートや試験の解答は載せていません。
聖徳大学の心理学科ではどんな授業があるのか、優先的にとりかかったほうがいい科目は何か、難しい科目はどれか、使用した参考書のヒントなどが知りたい人にとっては、参考になる情報が書いてあるかもしれません。
また、こちらに記載している情報は、自分の在籍時の情報になるので、指定教科書や課題内容が変わっている可能性があります。注意してください。
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発達心理学Ⅰ(幼児・学童)
優先度:★★
難易度:★★
スクーリングは映像授業を受けた後に、試験を受ける形式でした。試験時間は指定されているので(受験できる時間の幅がない)、スクーリングの試験時間は仕事などを入れずに試験を受験できるよう確保しておく必要があります。
試験は、ゆっくり問題を解いていると時間内に解き終わるのが難しいレベル感です。1問当たりにかけられる時間が少ないので、サクサク解いていく必要があります。
また、スクーリングのテストが少し難しかったというか、日本語の表現でやらしいひっかけ問題的なものが数問ありました。それぞれの用語の概念や周辺語彙をしっかり理解していないと、時間内に解き終わるのが難しいかもしれません。
試験に不合格になると、再度スクーリングを受講(スクーリング代をもう一度払うことになる&次のスクーリングが開講されるタイミングまで待つ必要がある)し、試験を受験する必要があるため、試験対策をしておくことをおすすめします。*1
予習としては、教科書に付箋を貼ったり、用語の意味や関連語がパッと分かる状態になっていると、安心して試験に臨めると思います。
また、余裕がある人は用語まとめノートを作成しながら重要事項を学習していくのもひとつの勉強法です。
勉強する時に「心理学辞典」が手元にあるとより便利です。(試験時間内に「心理学辞典」をゆっくり読んでいる暇はないです)
指定されている教科書は、聖徳大学の先生が書いたものでした。
読みやすい口調で書いてありますが、概念やまとまりがバラバラなので、初学者は教科書1冊で発達心理学の全体像を把握するのは難しいと思います。(既に保育士や教員免許などを持っていて、発達心理学について知識のある方は1冊だけでも理解できるのかもしれませんが…)
系統立てて発達心理学を勉強したい人にとっては、ほかの参考書もあったほうがいいと思います。
指定教科書は索引が機能しているところと、機能していないところがあるので、試験やレポートに教科書一冊で挑もうとしている人は注意が必要です。
発達心理学という科目で学習する内容自体はとても興味深く、楽しかったです。
自分は下記の参考書を追加で購入して学習しました。
よくわかる発達心理学 第2版 ミネルヴァ書房
この参考書は、大学の新入生や、発達心理学を最初に学ぶ人向けに書かれている参考書です。そのため、「聖徳大学で初めて発達心理学について学ぶ」学生にぴったりの参考書だと思っています。
また、次に示す科目の「発達心理学Ⅱ」の指定教科書はかなり難しいため、教科書1冊だけで内容を理解しようとするとかなり苦戦することが予想されます。
この参考書は、胎児期・新生児期~成人後期・老年期まで、人間発達の全体像が、発達段階別に書かれているため、「発達心理学の全体像を掴む」「ある特定の発達段階における心理学の知識が知りたい」人にとって、かなり使いやすい1冊だと思います。
発達心理学Ⅱ(青年~老年)
優先度:★
難易度:★★
取り組む順番としては、少し後回しでいい科目です。
教科書だけでは絶対にレポートが書けない課題構成でした。
指定教科書も、専門用語が多く出てくる上に、かなり堅めの文章で書かれているため、初学者にとっては難しすぎると思います。
他の参考書を購入するか、ネットで検索しながら課題に取り組む必要がある科目です。
自分は、「発達心理学Ⅰ」で紹介した「よくわかる発達心理学 第2版」と「心理学辞典」を購入して学習を進めました。
現代心理学辞典 有斐閣
知らない用語がたくさんあり、課題に苦戦している人、手持ちの参考書を探してもよくわからない人は「心理学辞典」を一冊手元に置いて勉強するのがおすすめです。
辞書的に使える上、ある用語の周辺概念まで捉えることができるため、知識の幅を広げたり、課題のヒントを得るためにかなり使えます。
また、発達心理学だけでなく、聖徳大学で必修科目となるほぼ全ての課題・試験対策に使えるため、購入して損はないと思っています。
自分も「心理学辞典」を1冊購入し、手元で広げながら課題や試験勉強を進めていました。
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社会・集団・家族心理学Ⅰ
優先度:★
難易度:★
主に「社会心理学」についての課題や試験が行われます。
教科書読むのが楽しかったです。社会心理学は、日常の生活と密接にかかわっているため、いろいろ考えるのが楽しいなと感じた記憶があります。
レポートや試験自体は教科書のみで合格できました。
新聞やニュースに日ごろから目を通しておくと、社会心理学の学びに入っていきやすいと思います。
社会心理学は個人的にとても面白かったため、参考書を数冊購入して学習しました。
新しい社会心理学のエッセンス 心が解き明かす個人と社会・集団・家族のかかわり 福村出版
発行年が2020年と新しいため、自分たちの生活と密接にかかわっているインターネットやSNSについても詳しく解説されています。
特に、インターネット上における攻撃行動に関する説明は大変興味深く読みました。
仕事や人間関係の形成など、社会心理学の知識があると日常生活がまた違った角度から見えてくるのが面白いと思っています。
読みやすい文章で書いてあるので、おすすめです。
社会心理学 補訂版 有斐閣
かなりボリュームのある社会心理学の参考書です。読みごたえがあるため「社会心理学楽しい」「もっと研究してみたい」と思った人にはおすすめです。
インターネットや世間、消費者行動や組織と個人の関係、集団行動やパニックなど、日常とより密接につながっている社会心理学の概念を学ぶことができます。
仕事や子育てなどの日常生活に応用できる知識がかなり学べると思います。
学習・言語心理学Ⅰ
優先度:★
難易度:★
配本された教科書のみで合格できた科目です。
教科書を1回読む→課題を解く、といった手順で取り組みました。
レポートも選択式だったので、取り組みやすかったように思います。「学習心理学面白い!!もっと勉強したい!!」となりました。
はじめてまなぶ行動療法 金剛出版
行動療法についてさらに知りたい人にはこの参考書がおすすめです。
行動療法を「初めて学ぶ」人に向けて書かれている参考書なので、行動療法の歴史や原理、応用まで学ぶことができます。最初から読んで行動療法の基礎を学ぶためにも使えますし、辞書的な活用の仕方もできます。
行動療法の用語解説や定義がまとまっているページもあるため、大学院の受験勉強にも使えます。
また、大学院進学後、行動療法について研究したい人は、まずこの参考書を読み、そこで紹介されている引用文献などを調べながら研究計画書を作成してみるのもおすすめです。
研究計画書の作成方法については、こちらの記事にまとめました。
自分は、聖徳大学の学習~大学院受験勉強~大学院入学後の学びにかけて、かなり長く愛用しています。
読みごたえは十分ですが、初学者でもわかりやすい言葉使いで書かれています。
新訂増補 方法としての行動療法 金剛出版
行動療法の治療の進め方や具体的事例がかなりたくさん載っている参考書です。
事例が多いため、実際に行動療法がどのように使われているのか?について詳しく知りたい方は、こちらの参考書を手に取ってみるのもいいと思います。
改訂版 認知行動療法 ー実践手続きを具体的に知ることができるー 放送大学教育振興会
認知行動療法の基礎や使用される技法、応用について説明されています。
認知行動療法についてしっかり学びたいと考えている人におすすめです。やや専門用語が多いので、最初は読むのに苦労するかもしれませんが、その分より専門的な内容が学べます。2020年に改訂版が出ているため、かなり最新の研究動向も反映されています。
また、大学院で認知行動療法の研究がやりたい方は、こちらの参考書をとっかかりとして、引用文献を調べながら受験対策の研究計画書を書くこともできると思います。
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まとめ
今回は「発達心理学」「社会心理学」「学習心理学」の学びのヒントをまとめました。
最初は戸惑うことも多いと思いますが、少しずつ聖徳大学の勉強に慣れてくると思います。
自分も、偉そうに(?)アドバイスを書いていますが、最初は完全に手探りで、レポートを1本完成させるまでにものすごく時間がかかっていました。
情報を集めつつ、ゆっくり進めていきましょう。無理に他人と進捗を比べる必要もありません。通信制大学に通っている学生さんそれぞれが確保できる勉強時間は、本当に個人差があるので。
少しでも前に進めるように応援しています!
今回紹介した参考書以外にも、勉強に役立った参考書はたくさんあります。
下記の記事で紹介している参考書は、聖徳大学の科目の中でも、特に多くの科目のレポートや試験の内容をカバーしている参考書です。一度内容を確認して、購入を検討してみるといいかもしれません。
他の科目の感想や学習方法は、こちらから探してください。
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*1:2022年夏の試験はかなり難易度が高かったそうです。予習必須の科目です。