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2023年に読んで印象に残った本

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最終更新日:2024年1月2日

投稿日:2024年1月2日

 

この記事では、2023年に読んで印象に残っている心理学の参考書を紹介します。

公認心理師臨床心理士を目指して大学院に在籍している筆者が、個人的に印象に残った本をまとめました。

 

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心理職は検査中に何を考えているのか? アセスメントからテスト・バッテリーの組み方、総合所見作成まで 岩崎学術出版社

 

2023年で一番印象に残っている参考書です。大学院の実習において、心理検査を取るときに、「やり方」自体はマニュアルを読んだら分かるけど、どこに注目して、何を考えながら検査を取っていくのかが分からず、困惑していました。そんな時にこの参考書に出会いました。

この本の中にはWAIS-Ⅳ、バウムテスト、P-Fスタディロールシャッハ・テストの4つの検査を実施するときのポイントだけでなく、テスト・バッテリーの組み方や導入・フィードバックのときの具体的なやりとりが書かれているため、すごく参考になりました。特に、心理職とクライエントの言葉のやり取りについては、実際の面接場面で活用させてもらっています。

初めて心理検査を取る、という後輩にも「まずはこれを読んでみて!」と最初におすすめしている検査の本です。大学院在学中に出会えてよかったと思っています。

 

 

心理職の仕事と私生活 若手のワーク・ライフ・バランスを考える 福村出版

自分の進路に大きく揺らぐ大学院生の時期の自分にとって、非常に印象に残り、力をもらった1冊です。いろいろな職場で働いている「若手」心理職の方が自身の仕事と私生活について様々な体験を書いています。

進路に悩んでいる学生は、目次を読んでみるだけでも面白いと思います。どんなタイトルに自分が惹かれるか、興味を持つかによって自分の興味のある臨床領域や、私生活の中で大切にしたいことを考えるきっかけになると思います。

自分は、社会人を経験してから心理職を志していることもあり、「第13章 セカンド・キャリアとしての心理職とワーク・ライフ ——看護職や多職種から次の道へ」を特に面白く読みました。社会人学生時代の在学中の充実感と苦労では「分かる!」という点も多くありましたし、これから大学院へ進学したいと考えている人にも励みになることが書かれています。

また、「育休とカップルとローン」「配偶者からの声」といったコラムもあり、子育てや結婚、介護などの私生活との両立や、長いキャリアの中で諦めたことなどについて知ることができるのも、この本を読んでよかった点です。

「第1章 心理臨床家にとっての仕事と私生活 ——私たちは、もがいている」という章に「心理職が遭遇する可能性のある困難」の表が記載されており、心理職の仕事の大変さを知ることができます。これから心理職を目指したいと思っている人にとって、大変だと感じる箇所もあると思いますが(私も読んだ時うわっとなりました)、事前に知っておくことも大切だと感じました。

また、色々な領域で働いている心理職の話が書いてあるため、心理職になった後のイメージをつかんだり、就職先を探すのにも活用できるかと思います。

 

 

 

 

 

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質的研究法マッピング 特徴をつかみ、活用するために 新曜社

修論では質的研究をしており、インタビューで収集したデータを「どの分析方法を使って分析するか?」というのが大きな課題となりました。質的研究には分析方法がたくさんあるにも関わらず、一つ一つの分析方法について丁寧に勉強する時間がとれず、「Aという分析法はどのような特徴があるのか、Bとは何が違うのか」という知識がほとんどない状態から修論で使う分析方法を決めていく必要がありました。

この参考書には、26種類の質的研究法の概要がまとまっており、「過程」と「構造」、「実存性」と「理念性」の何を重視しているかによって分類されているため、自分のやりたい研究やリサーチクエスチョンに合致する分析方法を探すのに大変重宝しました。また、3ページには「質的研究法マッピング」という図があり、その図から、どんな特徴を持った分析方法がいいのかの見当をつけていきました。

 

質的研究の「分析方法」を探すのに適した本だと思います。(本格的な分析方法を学ぶためには、それぞれの分析方法について詳しく書かれた参考書を読む必要があります。)

大学院入試のために質的研究で研究計画書を作成している人が、分析方法まで記載したいと考えたときにも活用できる本だと思います。

 

 

 

 

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この記事では、2023年に読んで印象に残った本を紹介しました。

心理学の勉強に役立った本はこちらの記事にもまとめているので参考にしてください。

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