通信制大学から心理系大学院 合格までの道のり

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社会人と心理系大学院生は両立できるのか【公認心理師・臨床心理士】

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最終更新日:2024年2月10日

投稿日:2022年11月11日

 

公認心理師臨床心理士の資格取得を目標に心理系大学院へ通うことと、社会人が両立できるのかについてまとめます。

筆者は社会人経験を経てから、仕事を退職し、心理系大学院へ進学しました。社会人経験がある筆者の視点から、心理系大学院の2年間の学生生活と仕事が両立できるのかについて、個人的な見解をまとめます。

あくまで、筆者の大学院経験をもとに書いているため、ほかの大学院では実態が異なる可能性があります。ご了承ください。

 

 

 

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結論

社会人と心理系大学院生(臨床心理系)の両立は厳しい

他の専門領域の学生の場合、仕事をしながら大学院で研究を進めている学生も多くいると思います。

しかし、公認心理師臨床心理士を目指す場合、研究だけでなく、2年間で450時間以上の実習と必修授業でかなり多くの時間が必要となります。

自分の場合、平日は週5で昼間なんらかの活動があるため、少なくともフルタイム(週5で働く)という仕事のスタイルとの両立は不可能です。

自分の在籍大学院に通う社会人経験者も、全員仕事を退職して大学院へ進学しています。

 

大学院の忙しさ、スケジュール感はこちらの記事を参考にしてください。

【体験談】心理系大学院 M1前期の生活スタイル【公認心理師・臨床心理士】

【リアル体験談】心理系大学院生の1週間のスケジュール・時間の使い方

 

理由

実習が平日昼間にある

公認心理師臨床心理士を目指す場合、「実習」があります。公認心理師を目指す場合、2年間で450時間以上実習を行う必要があり、これがかなりの負担となります。

実習は基本的に平日の昼間、数時間~1日かけて定期的に行く場合がほとんどです。

周りの学生をみると、週に1~2日の頻度で、半日~丸1日の実習へ行っています。

例えば「○○大学院 心理相談センター」といった名前で検索すると、各大学院に実習施設として設置されている相談センターの概要が出てくると思います。相談センターでは、内部実習としてカウンセリングや心理検査を大学院生が実施します。

「開室時間」「受付時間」などを見てみると、内部実習として拘束される可能性のある時間帯が分かるので、忙しさなどを少し具体的に想像できるかもしれません。

 

授業のコマ数が多い

他の専門領域の学生と比べて、必修科目の授業のコマ数が多くあります。その分拘束時間も長くなるし、課題も多いです。

学部生のように、授業を受けて終了という授業はほとんどありません。

授業ごとに論文などをまとめて発表する(=パワポ資料を作成する)形式の授業が多いため、授業の準備にかなりの時間が必要となります。授業時間より予習や課題の時間の方が長いという感じです。夏休みも集中授業があるため、あまり休む暇がありません。

 

心理検査・カウンセリング等の練習時間が必要

また、公認心理師臨床心理士を目指す学生の場合、授業と実習以外の時間で心理検査の練習や解釈を行ったり、カウンセリング(ケース)の逐語起こしやSVを受けるといった時間が必要になります。

授業以外の時間でも自己研鑽を進める必要があります。かなり多くの時間を「大学院生」としての活動に充てる必要があると考えた方がいいと思います。

 

 

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例外

個人事業主など

忙しいとはいえ、ある程度勤務時間の融通が利く個人事業主や経営者などは、自分の仕事と両立できる場合もあると思います。(もちろん大学院や、仕事の忙しさによると思います)

また、週1日だけ外部で働く(アルバイトのような感じ)といった働き方が可能な大学院もあると思います。(アルバイトができるのか問題については後述します)

どちらにせよ、大学院を受験する前に、大学院説明会や研究室訪問を行い、「自分の仕事と両立できるか」といったことに関して、質問をしてみることをおすすめします。(事業との両立に関しては、大学や指導教員の理解があるかないか、といった視点も重要になると思われます)

 

育児との両立

子育てや育児との両立に関しても、かなり忙しくはなりますが、不可能ではないと思っています。

自分の知り合いにも、子育てと両立しながら大学院へ通っている人が何人かいます。

*1

 

この点に関しても、「過去に子育てをしながら大学院を卒業した先輩はいるか」「現在子育てをしながら通っている学生はいるか」といった質問を研究室訪問や大学院説明会でしてみることをおすすめします。

 

長期履修制度

大学院の中には、通常2年間で卒業するところを、3年間かけて履修・卒業するという「長期履修制度」を設けているところがあります。仕事や子育てと両立したいと考えている人は、長期履修制度が使えるかどうかを大学院に確認してみるのもひとつの手です。

 

通信制大学院

日本国内には、いくつかの通信制大学院もあります。(放送大学大学院など)

倍率は高いですが、通信制であるため、通学生の大学院よりも仕事や育児と両立しやすい面があるのかもしれません。(自分は通信制の大学院に通っていないので、実態は分かりません)

ただ、通信制とはいえ実習時間等は他の大学院生と同じであるため、仕事とどの程度両立できるのか、自分の今の生活スタイルでついていけるのか、については受験前によく確認した方がいいと思います。(夜間に授業が開講されている大学院の説明会に参加したことがありますが、社会人をしながら卒業した学生はかなり少ない旨の内容を聞きました。外から見える(期待する)実態と、内部の実態が大きく異なる可能性もあります)

大学院説明会や研究室訪問で質問してみましょう。

 

お金について

奨学金、学費免除

年齢や収入など諸条件はありますが、給付型・貸与型の奨学金を得たり、入学金や学費の免除を狙うことも可能です。

大学院生活におけるお金事情はこちらの記事にまとめました。

心理系大学院生のお金事情【支出・収入】|やま@心理系大学院生|note

 

アルバイトはできるのか

大学院や研究室によって、アルバイトがどの程度できるかの違いがあります。筆者の通っている大学院では、アルバイトをしている学生もいます。

しかし、大学院生活自体が大変忙しいので、週の中で多くの時間をアルバイトに割くことは難しいと考えておいた方がいいと思います。

アルバイト事情についてはこちらの記事で解説しました。

psychology-study.com

 

受験する前に

必ず大学院説明会へ出席、研究室訪問をしよう

大学院の受験をする前に、必ず大学院説明会や研究室訪問に行きましょう。自分の想定しているビジョンと、大学院で学べることが合致していることを確認する必要があります。

また、大学院の中には社会人経験者と相性のいい大学院・相性が悪い大学院があるのが現実です。合格可能性を含めて、事前の情報収集は必須となります。

社会人経験者が大学院を選ぶときに気を付けたことはこちらにまとめました。

psychology-study.com

 

研究室訪問で質問したことはこちらにまとめました。

psychology-study.com

 

また、心理系大学院への進学を検討している人におすすめの動画がこちらです。受験対策を始める前に確認するべきことがまとまっているので、気になる人はチェックしてみてください。

www.youtube.com

 

リアルな大学院生活を知っておく

心理系大学院生になったときに、どのような生活スタイルになるか、どれくらい忙しいのか、なにをするのか、授業と実習と研究のバランスは?など分からない人も多いと思います。

こちらの記事に、筆者の体験をまとめたので、良ければ参考にしてください。

1週間のスケジュールを「忙しい週」と「あまり忙しくない週」別に時間割形式でまとめたので、どれくらい時間が拘束されるかなどが具体的に想像できると思います。

note.com

 

さらに、具体的な1日のスケジュールを時間単位でまとめた記事はこちらです。

「大学へ登校し、授業とケースをした日」(M1後期想定)と「外部実習先から大学に登校し、研究を進めた日」(M2前期想定)に分けて、起床時間から、移動、大学での過ごし方、帰宅時間、自由時間などを具体的に書いています。

note.com

 

また、実際に社会人から心理系大学院へ進学した筆者が感じた社会人経験をしていて「よかったこと」「苦労したこと」をかなりぶっちゃけた記事はこちらです。大学院生としての率直な意見を書いたので、よければ読んでみてください。

note.com

 

さらに、心理系大学院生の「年間スケジュール」「1週間のスケジュール」「1日のスケジュール」「お金事情」「大学院選びのポイント」に関する記事はこちらのマガジンにまとめて販売しています。実際に社会人経験を経てから進学した印象なども書いているため、大学院進学をするかどうかの判断材料としても使えると思います。

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まとめ

今回は、社会人と心理系大学院生の両立についてまとめました。

あくまで筆者の観測範囲内での事情になりますが、フルタイム社会人と心理系大学院生の両立は難しいです。

 

ただ、心理の世界では、入学前に想像していたよりずっと多くの社会人経験者が活躍していることが分かりました。大学院生活の中で知り合った心理職の人の中には「実は他学部出身で~」「前は全然違う業界で社会人をしていて~」という人も多数いました。

心理職を目指すか迷っている人の判断材料の一つになれば幸いです。

 

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*1:自分の大学院は、かなり子育て世代への理解があると思っています。大学院としての風潮や教員間での認識などによって、両立のしやすさが異なると感じています