最終更新日:2023年2月7日
投稿日:2022年2月7日
公認心理師の資格取得を目指して、聖徳大学通信課程心理学科に3年次編入し、2年間心理学の勉強をした筆者が、聖徳大学を選んだ理由と、入学する前に知りたかったことをまとめます。
この記事内容は筆者在籍時の情報になるため、詳細が変更されている可能性があります。必ず、各自で最新の情報を確認して下さい。
- 聖徳大学に編入学した理由
- 聖徳大学の現実① 基本的に独学
- 聖徳大学の現実② 実習先は自己開拓
- 聖徳大学の現実③ 大学院受験対策は一切期待できない
- 聖徳大学の現実④ 質問が難しい
- 聖徳大学の現実⑤ 卒業研究はできない
- 聖徳大学の現実⑥ 最短(2年)で卒業するためには平日3日連続で休める環境が必要
- まとめ
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聖徳大学に編入学した理由
編入学を検討していた当時は、仕事をしていたので、普通の通学制の大学に入学(編入)するという選択肢はありませんでした。
入学を検討していたとき、通信制大学で公認心理師のための単位が取得できるのは、聖徳大学(千葉)、京都橘大学(京都)、東京福祉大学、放送大学(全国)だけでした。公認心理師を目指す人にとって、通信制大学の選択肢は非常に少ないのが現状です。
関東圏に住んでいたこと、スクーリングで対面授業が受けられること(友人を作ること)、(自己開拓をすれば)確実に実習に行けること、を期待して、聖徳大学に入学しました。
放送大学も検討しましたが、(公認心理師になるためには必修となる)心理演習の授業が30名しか受講できないという情報を見たので、止めました。(現在は変更されている可能性があるため、各自で最新の情報を確認してください)
公認心理師になるためには、大学の学部で指定された単位を取得したのち、大学院へ進学し、大学院卒業後に国家試験を受ける必要があります。
まずは聖徳大学で大学の学部で必要な単位を取得することが最初の目標でした。
▶卒業生が語る!通信制大学を選ぶ基準まとめ
聖徳大学の現実① 基本的に独学
聖徳大学の場合、スクーリングが開講されている科目以外、授業はありません。放送大学は、単位ごとに授業の動画があるようですが、聖徳大学はありません。
指定された教科書を読んで内容を理解し、レポートを書く必要があります。心理学の知識が元々ある人、近い領域で仕事をしている人にとっては馴染みのある内容も多くあると思いますが、自分のように他領域から勉強を始める人にとっては慣れるまで大変かもしれません。
通学制の大学のように、教授の授業を聞いて、不明な点があれば随時質問する、友人同士で話す中で解決するということができません。孤独との戦いです。
配本される教科書だけでは足りないことが多々あります。他の心理学の書籍を図書館で借りたり、購入して勉強する必要があります。
▶レポート・試験に役立った心理学の参考書
聖徳大学の現実② 実習先は自己開拓
公認心理師を目指す場合、学部4年の時点で心理実習を受ける必要があります。
聖徳大学の場合、実習先は自己開拓する必要があります。自分で受け入れてくれそうな病院を探し、病院に電話をかけ、アポを取り、実習をお願いするといった形です。飛び込み営業に近いかもしれません。自分も何件も病院へ電話をかけ、断られる経験をしました。
大学側は「質問があれば聞いてくれれば答えますが、実習先はあくまで自己開拓してください」といったスタンスです。
なにかしらのコネがあればスムーズに決まるのかもしれませんが、そういったものがない場合、ある程度苦労することを想定したほうがいいかもしれません。全ての単位が取り終わっていたとしても、実習先が見つからなくて留年することもあります。
▶公認心理師実習 体験談
▶自己開拓のノウハウまとめ
聖徳大学の現実③ 大学院受験対策は一切期待できない
公認心理師を目指し、大学院受験を検討している人が多いと思います。
入学前は、大学院受験に必要な知識は聖徳大学に通っていれば全て大丈夫だろう、と思っていましたが、完全に見当違いでした。
院試については別の記事に書iいてありますが、「心理学」「英語」「研究計画書」の対策が必要となります。授業が少ないうえ基本的に独学なので、大学院試対策は一切できません。特に英語と研究計画書については大学の単位・授業の中で1文字も出てきません。
大学の勉強とは別に、大学院試験対策が必要となります。自分は予備校に通って大学院試対策をしていました。特に研究計画書は未経験者がひとりで作成するのは不可能です。
このサイトには、大学院受験の情報も掲載しているので、参考にしてください。
▶心理系大学院 合格体験記
▶心理学の勉強方法
聖徳大学の現実④ 質問が難しい
通信制大学に入学する前は、大学生の特権として教授に質問ができる権利があると思っていました。聖徳大学の場合は、普段は授業がないため、教授と顔を合わせる機会がありません。レポートなどを作成する際に、疑問点が出てきた場合、「郵送」で質問を送ることができます。そして、郵送で質問の回答が返ってきます。
この記事の執筆時点で、ウェブやメールを使って質問する制度が整っていません。先生のメールアドレスも教えてもらえません。自分→郵送→事務局→教授→事務局→郵送→自分、といったルートを辿るため、回答が返ってくるまでものすごく時間がかかります。
返事が来るまで、少なくとも1か月程度はかかります。手書きで質問を書き、封筒を用意し、ポストへ投函する手間と返事までの時間差を考えると、質問に対するハードルがものすごく高いです。
スクーリングの授業があるときは、直接質問できるので、そのタイミングを狙って質問することが可能です。とはいえ「授業の内容以外の質問には答えません」というスタンスをとる先生も多いため、自分の疑問点が全て解決できるとは限りません。
2023年時点では、オンラインで質問することが可能になったようです。詳細は各自大学HPや説明会で確認してください。
聖徳大学の現実⑤ 卒業研究はできない
聖徳大学の心理学科の場合、卒業研究の単位が開講されていません。そのため、卒業研究ができません。指導教官もいません。
大学院の出願時に「卒業論文の内容」が必要な大学院があります。研究計画書は特別な対策が必要、と前述したのはこれも関係しています。
卒論を書かなくても卒業できてラッキー、と捉えるか、研究できる環境が一切なくて悲しい、と捉えるかは個人差出そうですね。(他の学科は卒業研究できるところもあるみたいです)
自分は、心理学の卒業論文を書かずに、心理系大学院受験に合格することができました。
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聖徳大学の現実⑥ 最短(2年)で卒業するためには平日3日連続で休める環境が必要
聖徳大学を卒業するためには、スクーリングという授業形式の単位を取る必要があります。
スクーリングが開講されるタイミングは、夏休み、冬休み、春休みとGWなどの週末です。1年に1回しか開講されない単位もあります。週末に集中している単位であればいいのですが、いくつかの単位は平日に3日間連続で開講されるものがあります。
体感では3日連続で開講される単位の方が多い印象です。9時~17時40分までの授業が3日連続で続きます。
そのため、フルタイムの仕事をしている場合、日程調整がかなり難しい可能性があります。
仕事が忙しい方は、最短卒業を目指すのではなく、あえて留年を視野に入れながら、学習を進めていくのもありです。聖徳大学には仕事や育児と両立しつつ、数年計画で学習を進めている学生がたくさんいます。
聖徳大学のHPからスクーリングの日程が見れるので、入学前に見てみるといいと思います。
自分が聖徳大学心理学科を卒業するために出席したスクーリングの曜日をまとめました。
▶土日・平日別のスクーリング日程
スクーリングは、オンデマンド形式かつ受講期間に幅がある単位であればいいのですが、チームズを使った双方向形式の授業になると、1日中拘束されると考えたほうがいいです。
コロナが収束後は、全面対面授業に戻る可能性があります。今後の大学の方針次第です。(令和4年度は全面オンライン授業実施でした。令和5年度以降は、オンライン授業と対面授業が単位によって分けられているようです。)
スクーリングが必要な授業や、試験を受けるだけで合格できる単位など、それぞれの科目の情報はこちらにまとめました。
▶聖徳大学 科目別の感想 まとめ
オンライン授業の場合、カメラとマイク付きのPC(顔出して会話ができるデバイス)とプリンターが必要になります。ネット環境もある程度強い回線があった方がいいと思います。
環境がない場合は、大学のPC室を利用して受講することも可能みたいです。時間制限ありの課題や試験もあるので、タイピングの速度もある程度早い方が有利だと思います。
▶スクーリング前に準備すること
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まとめ
今回は自分が聖徳大学へ編入学した理由と入学する前に知りたかったことをまとめました。
聖徳大学の入学を検討している人からよく聞かれる質問をまとめた記事があります。入学するか迷っている人、聖徳大学の大学生活がどのようなものか知りたい人は、参考にしてみてください。
▶聖徳大学 入学前によく聞かれることQ&A
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