最終更新日:2024年4月13日
投稿日:2022年2月15日
公認心理師・臨床心理士を目指して心理系大学院へ合格するためには入試で「心理英語」の筆記試験を受ける必要があります。
大学院受験で一番重要と言っても過言ではない科目が、英語です。英語の勉強の仕方に悩んでいる人も多いと思います。
今回は、国立大学院に合格するために行った英語の勉強方法とスケジュール、参考書を解説します。
自分は社会人から受験をしたため、英語のブランクがかなりある状態から勉強を開始ました。受験勉強期間は、約1年半でした。
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心理英語を攻略するためにやるべきこと
心理系大学院入試を突破するために、英語の勉強をする時に必要な軸は「単語力」と「長文読解力(和訳)」の2つだと考えています。
特に「単語力」に関しては、心理学の専門用語の英単語を覚えていく必要があります。
辞書持ち込み可能な大学院もありますが、時間制限のある中、いちいち辞書を引いていたら全然間に合いません。そのため、単語力を豊富にしていくことが合格に必要なステップになります。
また「長文読解力」としては、「英語の文章を和訳しろ」という出題形式で問題が出される大学院が多いため、英文和訳を速いスピードで行えるようになることが大切です。
大学院によっては、「和文英訳」が出題されるところもあります(早稲田大学大学院・筑波大学大学院など)。
気になる大学院の過去問を早めに入手し、傾向にあった対策をしていくことが大切です。
英語の勉強スケジュール
国立大学院に合格した筆者がやったことを内容と時期(スケジュール)別にまとめます。
時期に関しては、大学4年生の9月に受験する人を想定して、逆算したスケジュールを記載します。
心理院単を購入
時期:院試1年半前(大学3年4月)
まず、大学院受験をすると決めて一番最初に購入したのが心理院単です。
大学院受験では、英語の長文和訳の出る大学院が一番多いといわれています。
長文を読むためには、まずは単語力が必要となります。また、一般的な大学受験で対策する英単語だけでなく、「心理学」に特化した英単語を覚えていく必要があります。
多くの受験生が使用している「心理院単」を自分も購入し、単語の暗記を少しずつ進めました。
心理系大学院の受験を考えている人、これから受験勉強を始める人に「一番最初」に取り組んでほしいのが「心理院単」の中に出てくる英単語の暗記です。
語彙の量は多ければ多いほど読める長文が増えていくので、ぜひ心理院単を使って英単語の暗記を頑張ってください。受験会場でも心理院単を使用している受験生を多く見ました。
長文対策を開始
時期:院試1年5か月前(大学3年5月)
数年間まともに英語に触れない生活を送っていたので、すっかり英語力が落ちていました。そこで、院試の約1年半前から、長文読解の練習を開始しました。
自分は「公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&キーワード100 心理英語編」(通称:黄色本)を使用しました。
1日1長文を読むことを目標にしましたが、この時期に毎日英語の勉強を続けるのは正直厳しかった記憶があります。休日などに、少しずつ英語に触れ、感覚を取り戻すようにしていきました。
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TOEIC受験
時期:院試1年前(大学3年9月)
前回にTOEICを受験したのが5年以上昔だったので、一応、スコアを取得しておこうと考え、TOEICを受験しました。
大学院の出願時に、TOEICのスコアを提出することで、英語の試験が免除になる大学院があります。
しかし、自分の調べた範囲だと、そのような措置を取ってくれる大学院の数は少なく、自分の志望校は該当しませんでした。結局、TOEICのスコアは大学院受験で使用しませんでした。
また、TOEICで求められる英語の能力と、大学院受験で求められる英語の能力は異なるため、わざわざTOEICに時間とお金をかけて受験した意味はなかったと感じました。
(追記:ここ数年で、TOEICのスコア提出が必須となっている大学院が増えているようです。受験校の出願条件を確認し、TOEICが必要な場合は、高得点が取れるようにておくことをおすすめします)
TOEICの受験を検討している人に向けて、「大学院受験対策用にTOEICを受験するべきか?」について考察した記事はこちらです。TOEICを受験するべきか迷っている人はチェックしてみてください。
心理系大学院受験でTOEIC受験するべきか?【心理英語】【公認心理師】
過去問分析
時期:院試1年前~直前(大学3年9月~大学4年9月)
志望校の候補が絞れてきたころから、過去問分析を行いました。
過去問分析では、「出題形式(英文和訳・和文英訳)」「記述式か、選択式か」「長文の長さと試験時間」「長文に出てくる単語のレベル」「辞書の持ち込みは可か不可か」などに注目しました。
基本的に、過去問の英文は、著作権の関係で見ることはできませんでした。
そのため、大学図書館やGoogle scholarなどを利用して、文献を探しました。文献探しにも、かなりの時間を費やしました。
文献探しは大変なのですが、志望校の教員の専門分野と出題される長文が重なっている大学院も多くあります。より深掘りして覚えるべき英単語や領域を分析することも可能になるので、ぜひ頑張ってみてください。
過去問分析のやり方や、注目したポイントはこちらの記事により詳しくまとめているので、参考にしてください。
心理英語の過去問研究のやり方【心理系大学院受験】【過去問分析】【公認心理師・臨床心理士】 - 通信制大学から心理系大学院 合格までの道のり
英単語の暗記を本格的に開始
時期:院試1年前~直前(大学3年9月~大学4年9月)
大学院入試の1年前から、心理院単を活用し毎日10分だけでも英単語を見る時間を作りました。
なかなか覚えられない単語については、付箋を使用し、繰り返し見るように心がけました。
院試1か月前からは、英単語の暗記に1日1時間以上費やし、ほぼ全範囲の英単語を毎日見て、覚えられない単語については繰り返し復習することを心がけました。
友人と勉強会開始
時期:院試10か月前~1か月前(大学3年11月~大学4年7月)
心理学の有名な教科書「ヒルガードの心理学」を利用して、英文を和訳する練習を友人と行いました。
月1回ほどのペースでしたが、お互いに少しずつ英文が読めるようになる感覚を得ることができるようになりました。
この勉強会は、ピアサポート的な存在として、心の支えになっていました。
もし身近に大学院受験をする人がいたら、一緒に勉強していくのもおすすめです。
英語版
日本語訳
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長文読解の習慣化
時期:院試10か月前~直前(大学3年11月~大学4年9月)
1日1長文と決め、できる限り和訳に取り組みました。
和訳する余裕がない時は、寝る前に、過去に読んだ長文をSpeakingするようにしました。
「公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&キーワード100 心理英語編」を最終的には3周しました。また、予備校で配布された英語長文も活用していました。
和訳する時には、最初は分からない単語を辞書で検索しながら、文章の構造を捉えることを意識して勉強していました。
単語の辞書は「ジーニアス」を電子辞書として購入し、スマホにデータを入れて活用していました。移動時間に辞書を眺めたりしました。
自分の志望校は、辞書の持ち込みはできなかったため、受験2か月前からは、辞書を使わずに、分からない単語を推測しながら長文を和訳する練習をしました。
辞書を使わずに和訳→辞書を使って和訳→回答と確認、のサイクルを繰り返し行いました。
また、英語を早く正確に読む練習も行いました。
志望校の教員の論文・アブストラクトを和訳する
時期:院試2週間前~直前(大学4年8月~9月)
黄色本を3周したことで、英文の内容を覚えてしまったので、最終的に、志望校の先生の論文の概要を和訳する練習をしました。
また、先生の専門分野と近い問題が出ることが予想されたので、英単語の勉強にもなりました。
論文を探す→アブストラクトを辞書を使わずに和訳→辞書を使って和訳→DeepLで英文を和訳→自分の回答と確認、のサイクルを繰り返し行いました。
試験当日、論文形式の英語長文が出題されたため、論文を使用した和訳練習をしておいてよかったと心から感じました。
この方式の勉強は、とても役に立ったので、もっと早い段階から取り入れてもよかったかな?と考えています。大学院入学後、研究室訪問で会った方にもおすすめしている勉強法です。
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まとめ
今回の記事では、心理系大学院へ合格するための英語の対策やスケジュールをまとめました。
とにかく毎日英語に触れること、英語を嫌いにならないようにできたことを評価することを意識して、1年半勉強をつづけました。
正直、単語の暗記は苦しかったのですが、直前まで覚えようと努力した英単語が、入試本番で出たときには「あきらめずに頑張ってよかった~」と嬉しく思いました。
受験対策で使用した参考書はこちらの記事にまとめています。
▶心理英語の参考書
心理英語の参考書まとめ【心理系大学院受験】【難関国立大学院合格】【公認心理師】
また、受験には「和文英訳」が出題される大学院もあります。和文英訳の対策についてはこちらの記事をチェックしてください。
▶和文英訳
このサイトでは、英語の勉強に役立ったツールやアプリ、心理学や統計学の勉強法についても紹介しているので、ぜひそちらも参考にしてください。
自分に合った記事を探すときは「サイトマップ」が便利です。
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英語の勉強に使用した参考書は、こちらの記事で紹介しています。
過去問研究のやりかたはこちらの記事でより詳しく解説しています。志望校に合格したい人はチェックしてみてください。
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