投稿日:2022年3月23日
最終更新日:2023年6月29日
聖徳大学心理学科の「産業・組織心理学」「感情・人格心理学」「精神疾患とその治療」「人体の構造と機能および疾病」の感想をまとめました。
取り組む際の優先度や難易度、使用した参考書や勉強のヒントを書きました。当然ですが、レポートや試験の解答は載せていません。
また、筆者が聖徳大学に通っていた当時の情報であることをご了承ください。
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産業・組織心理学Ⅰ
優先度:★
難易度:★★
1回レポートが不合格になった科目です。参考書からの引用の明記はしっかりしましょう。(反省)
聖徳大学の科目では、ゆるくレポートが合格できる科目もありますが、この科目は、評価が厳しめです。レポートの体裁や、引用明記は徹底的にルールを守ることをおすすめします。
Twitterでもレポートや試験が不合格になった人をたまに見かけるので、油断しない方がいい科目です。
自分は社会人だったため、「仕事や組織に対して、こんな考え方があったのか~~」と楽しく教科書を読み進めることができました。ただ、社会人経験がない人にとってはとっつきにくい科目かもしれません。
自分の頭で考えて、自分の言葉で書くことを意識した科目でした。下記で紹介する参考書は、産業組織心理学の単位を取るだけでなく、「仕事と心理学について考えたい」と思っている人にとってもおすすめの本です。自分のキャリアや仕事について悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
最新版 論文の教室:レポートから卒論まで
レポートの書き方に自信がない方には、この参考書がおすすめです。レポートの体裁や引用文献の記載をしっかりしないと、不合格になる科目です。ほかの科目より評価が厳しめなので注意しましょう。
働いている人のメンタルヘルスに興味のある人・さらに深めたい人におすすめの本を紹介します。
メンタルヘルスマネジメント検定3級
働いている人のメンタルヘルスや職場環境に興味のある人は、メンタルヘルスマネジメント検定を目指すのも一つの手です。社会人の方や産業分野に興味のある方は、勉強して取得を目指すのもいい資格だと思います。
心理的安全性をつくる言葉55
今流行ってる「心理的安全性」をつくるために、すぐに実践できる言葉が詰まっている本です。職場や大学のゼミ、研究室、サークルなどで取り入れることのできる言葉が具体的に紹介されています。自分の所属している組織の心理的安全性を高めたいと思っている人におすすめの1冊です。
上司と部下のメンタルヘルス・マネジメント対策
コロナ禍で取り入れた企業も多い在宅ワークの影響や、パワーハラスメントの対応など、職場のメンタルヘルスに関してより具体的に知りたい人にとって必要な情報がまとめられている本です。心理学に詳しくない、人事担当者などでも読めるような内容です。
いい会社、どこにある?
転職活動や、今の仕事について考えたい、自分に合う会社はどんな会社なんだろう、などと考えている人もいると思います。また、中にはキャリアや働き方について興味を持っている人もいるのではないでしょうか。こちらの本は、働き方やライフプランの観点から会社選びの9つの視点を提示し、インタビューや分析を行っている本です。
個人的には高校生の頃に読みたい本だなと思いました。キャリア教育をしたい人、キャリアコンサルタントになりたい人、産業領域の心理支援を行いたいと考えている人などは一読して損はないと思います。自分は購入後、齧りつくように読み漁りました。特に、社会人経験のある人や働き方に悩んだことのある人にとっては刺さる内容だと思います。
心理学の専門書ではありませんが、臨床において、仕事をしている人の心理支援をする上でも役に立つ一冊だなと思っています。
「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?
職場の人材不足に悩んでいる人にとって必見の本です。病気で休職してしまう、優秀な人材が転職してしまうなど、組織の課題の分析や対処法について、心理学の知見やマーケティングの考え方を導入して書かれています。
いい人材を定着させたいと考えている企業や人事、管理職の方や、「今の職場にいるべきか、転職するべきか」悩んでいる人にとって、とても参考になる本だと思います。難しい専門用語はほとんど書かれず、一般の人でも読みやすい本なのでぜひ手に取ってみてください。
感情・人格心理学Ⅰ
優先度:★
難易度:★★
最初、類型論と特性論の違いが分からなくて意味不明でした。感情の認知のメカニズムも、さっぱり分からず、一度放置した科目です。
指定教科書は、説明が少し小難しく書いてあるため、初学者は理解するのが難しいと思います。
自分は、これから紹介する「よくわかるパーソナリティ心理学」や「新版 心理学」などの基礎心理学の概要が書かれている参考書を読んだ後に、大学指定の教科書を読み、ある程度内容が理解できました。
また、脳の部位(視床下部や偏桃体)なども出てくるため、神経心理学と同時に取り組むと勉強効率が良くなります。
「神経・生理心理学」の学習のポイントはこちらの記事を参考にしてください。
教科書が難しいと感じた方や、さらに感情やパーソナリティについて学びたい方におすすめの参考書がこちらです。
よくわかるパーソナリティ心理学 ミネルヴァ書房
人のパーソナリティに関する心理学の専門知識が分かりやすくまとめられています。また、心理検査と繋がるところも多いため、「心理的アセスメントⅠⅡⅢ」のテストやスクーリングの対策にも使用できます。
また、パーソナリティ形成のプロセスも発達段階別にまとめられているため、発達心理学の勉強や大学院の受験対策にも役立ちます。日常の人間関係と結びつく点も多い心理学の分野になるため、面白く読めます。
特に、指定教科書の読解に苦戦している人は、まずこの参考書から読み始めてみると、楽しく勉強が進められると思います。
新版 心理学 有斐閣
基礎心理学の概要がぎっしり詰まっている参考書です。感情・人格心理学だけでなく、ほかの科目(発達心理学や社会心理学、認知心理学など)の学習にも使えます。
学部生の教科書として指定されている大学も多くあるため、「他の大学生はこんなレベル感の勉強をしているのか」ということを学ぶ上でも役に立つ参考書です。
効率的な勉強方法の1つの提案してみます。
1.「感情・人格心理学」の概要を掴む
おすすめ参考書:
「新版 心理学 有斐閣」
「公認心理師・臨床心理士 大学院対策 鉄則10&キーワード100 講談社」
2.少し踏み込んで理解する。レポートで問われている用語を調べてみる
おすすめ参考書:
「よくわかるパーソナリティ心理学 ミネルヴァ書房」
「現代心理学辞典 有斐閣」
3.指定教科書を読んで、レポートを完成させる
おすすめ参考書:
「感情心理学入門 有斐閣アルマ」
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精神疾患とその治療Ⅰ
優先度:★★
難易度:★
レポートとスクーリング、スクーリング後の試験を受験して単位を取得する形式です。
スクーリングはmoodle形式で、指定された期間内に動画を視聴し、試験問題に回答するといった内容でした。
試験は、スクーリングの内容と教科書を理解していれば難なく合格できるレベル感でした。
指定された教科書がとても分かりやすく、様々な症例も載っているため、読むのが楽しかったです。教科書は、大学院の受験勉強でも活躍しました。
精神疾患プラチナマニュアル
受験勉強の時に、常に手元に置いていた参考書です。精神疾患についてDSM-5の基準に乗っ取った診断基準や、具体的な患者さんの症状がかなり分かりやすく・簡潔にまとまっています。ちょっとした確認をするのに最適です。
ポケットに入るサイズなので、実習中も白衣の中に入れ、必要な時に精神疾患や薬について確認していました。
公認心理師の実習の体験談のまとめはこちらです。
(2023年6月追記)
今までは診断基準を「DSM-5」に合わせて勉強していたのですが、先日日本版の「DSM-5-TR」が刊行されました。精神疾患の通称名など、色々なところで変更が生じているようです。
恐らく、今後大学院受験をする人は参考書によって疾病名の書かれ方が違っていて混乱すると思います。
徐々に「DSM-5-TR」に合わせた表記に移ってくることが予想されるので、これから精神疾患について勉強を始める人は「DSM-5」だけでなく「DSM-5-TR」にもアンテナを張っておくと良いと思います。
大学院入学後は診断基準に合わせて精神疾患を勉強しています。早めに大学院に照準を合わせて精神疾患の勉強を始めたい!と思っている人は、診断基準を手に取ってみるのもおすすめです。
また、「DSM-5」と「DSM-5-TR」の違いについてはこちらのYoutubeに分かりやすくまとまっています。
精神疾患の勉強をするときは、筑波大学の精神科医の松崎先生のYoutubeがおすすめです。何度も見返して、受験対策をしていました。
他にも、心理学の勉強に活用していたYoutubeはこちらにまとめています。
人体の構造と機能および疾病
優先度:★★
難易度:★
レポート、スクーリング、スクーリング最終日の試験が必要な科目です。
スクーリングはmoodle形式で、指定された期間内に動画を視聴し、試験に回答するスタイルでした。
スクーリングの内容はあまり期待しない方がいいかもしれません。自分の時は「これだけしか教えてくれないの…?」と驚いた記憶があります。(動画内容が変更されていることを切に願います。自分のときは動画の時間がかなり短かったです)
詳しく学びたい人は独学頑張りましょう…
試験も簡単でした。形式が変わらないようであれば、そこまで構えなくていい科目だと考えています。
レポートや試験がすごく簡単だった記憶があります。この科目を履修するだけで、この内容がすべて理解できると期待しないほうがいい科目です。
より詳しく精神疾患や疾病について勉強したい人にはこちらの参考書がおススメです。
公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法 医学書院
精神疾患の診断基準だけでなく、公認心理師として求められているスキルやアセスメントの技法、精神医療資源などについて広く学ぶことができる一冊です。情報量がかなり多いため、様々な場面で活躍します。
大学院受験はもちろん、大学院入学後も使用しています。長く使えるので、購入して損はない一冊です。
大学院受験に使用した参考書はこちらにまとめました。
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