通信制大学から心理系大学院 合格までの道のり

公認心理師・臨床心理士を目指す人向けの情報サイトです。心理系大学院の受験情報や通信大学の卒業を目指す人向けに、勉強ノウハウをまとめています。

【体験談】公認心理師になるには?社会人から最短ルートで公認心理師になるためにやったこと全部書く

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この記事では、社会人から公認心理師を目指し、現在公認心理師として働いている筆者が、公認心理師になるまでにやったことを全て書いていきます。

現在社会人として働いている人だけではなく、現在高校生・大学生で公認心理師に興味がある人にも参考になる内容です。

公認心理師の資格を取って働き始めるまで、いつ・何をするか、どのようなタイミングで負荷がかかるのか、などをイメージする助けになれば嬉しいです。

 

筆者は社会人から合計4年かけて、最短ルートで社会人から公認心理師になりました。

公認心理師になるためには「実習」「大学院受験」などマルチタスクでこなしていく必要があります。

計画的に過ごすための見通しを立てたい人も是非活用してみてください。

 

 

 

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公認心理師とは?

公認心理師の概要

公認心理師とは、心理学の専門知識と技術を用いて、心理に関する支援を行う専門家です。2017年から国家資格になりました。

学校で働くスクールカウンセラーや病院・クリニック、児童相談所、各企業など、様々なところで活躍しています。

2024年12月末時点で全国に73,678人いるようです。

出典:https://www.jccpp.or.jp/download/pdf/number_of_registered.pdf

 

公認心理師の仕事や働き方、ほかの資格との違いについてはこの本により詳細にまとめられています。

 

 

資格の取り方

今まで心理学を学んだことのない人が、公認心理師を目指す場合、「区分A」と「区分B」の2つが選択肢となります。よく、「Aルート」「Bルート」と表現されます。

 

区分A」は「4年制大学で定める科目を履修」した後に、「大学院で定める科目を履修」するコースです。合計で大学4年間+大学院2年間の合計6年間必要です。私は「区分A」で取得しました。

 

区分B」は、「4年制大学で定める科目を履修」した後に、「プログラム施設厚生労働省で定められた施設)で2年以上の実務経験」を積むことで受験資格を得ることができます。

こちらも、大学4年間+プログラム施設で実務経験2年間の合計6年間必要です。

Bルートは大学院へ通う必要が無いことが大きな特徴です。

プログラム施設は、2025年2月時点で、全国に10施設あります。プログラム施設に応募して、選考を突破する必要があるのでかなり難易度は高いと思われます。

 

他の区分やプログラム施設の詳細は、下記HPにより詳細に書かれています。

公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ|厚生労働省

私は、「4年制大学で定める科目を履修」→「大学院で定める科目を履修」するという「区分A」で受験しました。

 

 

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筆者のプロフィール

公認心理師を目指そうと思った段階の筆者のプロフィールは以下の通りです。

 

・心理職としては全く関係ない業界で会社員として働く

・心理学の知識はゼロ

・他学部の大卒資格あり

 

0年目:公認心理師に興味を持ち情報収集を開始

ひょんなことから、心理職(公認心理師臨床心理士)に興味を持ちました。

まずは、どのようにしたら公認心理師になれるのか、公認心理師とはどのような仕事なのか、ということから情報収集を開始しました。

当時、検討したのは主に2点です。

 

臨床心理士のみ取るか、公認心理師臨床心理士のダブルライセンスを狙うか

現在の日本で心理カウンセラーとして就職するために必要な資格は主に「公認心理師」と「臨床心理士」の2つです。

公認心理師は大学4年間+大学院2年間の計6年間かけて心理学を学び、必要な単位を得ることで、受験資格が得られます。

一方、臨床心理士は大学院の2年間で受験資格が得られます。

資格によって、合格までに必要な期間が異なります。

 

また、職場によって就職活動で求められる資格が異なるため、どのような領域で働きたいかを検討する必要があります。

臨床心理士公認心理師の違いや、実際に就職活動を通して考えたことはこちらの記事にまとめました。

note.com

筆者は、「公認心理師臨床心理士」の2つの資格を目指すことにしました。

 

 

公認心理師とはどのような仕事なのか

心理職を目指すにあたり、働き方や仕事内容、給料などを調べ、現実的に目指すに値する職業なのかを検討しました。

また、自分の適性や性格、望むライフスタイルと合致する可能性が高いかどうかを検討しました。

 

公認心理師の仕事を学ぶために役立った本

【厳選8冊】公認心理師・臨床心理士の仕事や働き方を知りたい人におすすめの本

 

賃金、非常勤の働き方、子育てとの両立など、心理職の現実を知るためには、こちらの本にリアルな声がまとめられており、特におすすめです。

 

 

 

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1年目:通信制大学へ3年次編入し、心理学に触れる(大学3年生)

公認心理師の資格を取るためには、「大学の単位+大学院の単位」が必要になります。

筆者は大学卒業後、社会人として働いていたので、仕事と大学生を両立するために通信制大学へ進学することにしました。

 

入学する通信制大学を選ぶ

2025年3月時点で、公認心理師試験に必要な単位が取れる通信制大学は「放送大学」「聖徳大学」「東京福祉大学」「京都橘大学」の4校です。

それぞれの大学によって、学習スタイルが異なります。特に、「実習の選抜方法」によって卒業に必要な年数が大きく異なります。また、スクールリングがある日には大学へ行く必要もあります。

色々な角度から情報を集めて通信制大学を選ぶ必要があります。

 

通信制大学を選ぶときに必要な視点

【卒業生口コミ】社会人から公認心理師を目指す人向けの通信制大学の選び方

 

▶筆者の主観で「どの通信制大学を選んだらいいのか」を考察

結局、公認心理師を目指すためにはどの通信制大学がいいの?

 

通信制大学聖徳大学)で学習開始

私は、「自己開拓さえ成功すれば実習に行ける」「最短2年で卒業できる」という視点で、聖徳大学へ入学することにしました。1月頃に出願し、4月から社会人大学生になりました。

既に大卒資格を持っていたので、3年次編入した形になります。

聖徳大学での学習は、主に「教科書を読んでレポートを書く」「毎月決まった時期に試験を受けて、単位を取得する」「年に数回、スクーリングに参加して単位を取得する」の3つでした。

基本的に独学で学習を進めていく必要があります。時には仕事の休みを取ってスクーリングに参加することもありました。

翌年には大学院受験が控えていたので、この年で取れる単位は全て取る勢いで通信制大学の学習を進めました。

 

大学院の情報収集

通信制大学での学習を進めると同時に、大学院の情報を集めました。

公認心理師対応大学院」の中から、どの大学院がよさそうか、現実的に通えそうな大学院はどこか、などを選ぶ作業をしました。

特に、「大学院説明会への参加」が情報集めの核となりました。先生や大学院生の声がリアルに聞けるので、生の情報を知りたい人はぜひ参加することをおすすめします。

大学院説明会は年に5~6回開催される大学院もあれば、年に1度だけ開催される大学院もあります。年に数回開催される大学院であればよいのですが、年に1度だけ開催される大学院の場合、情報を得られる機会が少ないため、大学3年生から動き始めることをおすすめします。

 

また、大学院によって試験の傾向が異なるため、早めに志望校の候補をあげられると対策がしやすくなります。

▶心理系大学院選びのポイント

note.com

 

また、この段階ではまだ大学院へ進学するか迷っていました。大学院生活の忙しさやお金事情などについてもリサーチし、自分の中で検討を重ねました。

実際に大学院生活を過ごした筆者の視点から、大学院生活のリアルな現実やスケジュールをこちらのマガジンに書いています。

▶心理系大学院 体験談まとめ

note.com

 

大学院受験の勉強開始

大学院受験を見据えた受験勉強を開始しました。

筆者は心理学の知識がゼロだったため、予備校に通って効率的に受験勉強を進めました。

筆者の行った勉強方法については、このブログ内にかなり細かく書いています。

 

▶心理系大学院に合格するためにやるべきこと

心理系大学院に合格するまでにやったこと全部書く

 

 

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2年目:実習や大学院受験に追われる(大学4年生)

大学4年生の1年間でやったことをまとめます。実習や大学院受験など、学習の比重が高い日々でした。

 

公認心理師実習へ行く(学部生)

公認心理師を目指す人が大学の単位で必須となる、公認心理師実習へ行きました。

私の通っていた聖徳大学では、実習先を自己開拓して、実習生として受け入れてもらうことが必要でした。

▶実習先の自己開拓って何するの?

【聖徳大学】公認心理師の実習 体験談まとめ【自己開拓】

 

▶実習時の持ち物や服装は?

【経験者】心理実習の服装・持ち物

 

 

大学院受験をする

本格的に公認心理師を目指すことを決意し、大学院受験勉強に打ち込みました。

心理系大学院受験では「筆記試験」「面接試験」の2つが行われます。

筆記試験では「心理学」「統計学」「英語」などの力が求められます。

また、面接試験では心理職を目指すにあたる心構えが聞かれます。また、大学院では研究をするため、「研究計画書」を作成し、出願時に提出する必要があります。

 

▶大学院受験までにやるべきこと

心理系大学院に合格するまでにやったこと全部書く 

 

また、筆者は社会人だったのですが、とある時期に仕事を辞めて大学院受験に専念することを決意しました。

▶退職した時期や当時の葛藤のリアル

フルタイム社会人大学院受験生、いつ仕事を退職するか問題

 

無事に第一志望校の難関国立大学院へ合格し、大学院への切符を手にしました。

 

通信制大学を卒業する

通信制大学の単位を取り終わり、3月に通信制大学を卒業しました。仕事との両立や独学は大変でしたが、大変学びになる2年間でした。

また、4月からの大学院生活に備えて、新しくパソコンを購入しました。

 

▶大学院生活や研究で必要なPCスペック

心理系大学院生に必要なパソコンのスペックとは?【公認心理師が解説】

 

 

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3年目:本格的な臨床心理学の学習がスタート!(大学院1年生)

無事に大学院へ入学し、同期や先輩と出会い、心理系大学生としての日常が始まりました。

毎日キャンパスへ通い、心理学の勉強ができる日々はすごく楽しかったです。

大学院1年生(通称M1)の1年間は主に「授業」と「実習」が中心となりました。

 

授業を受ける

対面で授業を受けました。

座学ではなく、調べたものをグループや個人で発表する形式や、カウンセリングのロールプレイをする形式など、学部生よりも実践的な活動が中心となります。

授業や発表の準備に時間がかかるため、大変でした。

 

 

実習へ行く

心理系大学院生のメインの活動が「実習」です。

主に病院や学校などの外部機関で実習させてもらう「外部実習」と、大学に併設されている心理相談室でケースを担当する「内部実習」の2種類があります。

実習の準備をし、実習へ行き、帰宅後にレポートを書くというルーティンを毎週繰り返す必要があります。かなり大変です。毎日くたくたになりながら、実習へ行っていました。

 

ゼミへ参加し、研究を進める

大学院を修了するためには、「修士論文」を書く必要があります。ゼミに所属し、指導教員から指導を受けながら、自分の研究テーマを考え、研究を進めていきました。

 

就職先について考える

M1の後半から、自分の就職先について考えるようになりました。大学院を修了した後、博士課程へ進学するのか、就職するのか、就職するとしたらどんなところを目指すのか、などを考えていく必要があります。

また、公務員志望の人はM1の後期から本格的に試験対策をはじめていました。

 

 

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4年目:実習・修論・就活・公認心理師試験と超多忙な年(大学院2年生)

心理系大学院2年生(通称M2)はかなり多忙です。

授業のコマ数は減りますが、実習が本格化し、修論の提出直前期は修論のことで頭がいっぱいになります。

その中で就職活動や公認心理師試験をこなしていく必要があり、いくら時間があっても足りない…という忙しさでした。

 

実習が本格化

心理検査を取るなど、実習先で求められることやできることが少しずつ増えてきます。

また、複数のケースを担当し、忙しくなってくるのもM2の時期です。

修了前は、ケースの引継ぎなども行う必要があり、M2の3月まで、実習関係でバタバタしていました。

 

修士論文を書く

M2で大変だったのは修士論文です。大学院によって提出時期は夏~冬と様々です。

筆者の大学院は1月に修論提出だったため、夏から本格的に調査を開始し、12月に佳境を迎えていました。

修士論文を書くってどういうこと?

修士論文を書いた感想と体験記(臨床心理学)

 

就職活動をする

公務員試験を受ける人はM2の4月~8月あたりに筆記試験や面接試験で忙しそうにしていました。

筆者は、M2の10月~2月頃にかけて就職活動でバタバタしていました。大学院生は「資格取得見込み」で就活をしなければいけないので、大変だと言われています。

▶心理職の求人の探し方

心理職の求人の探し方をまとめてみた【公認心理師・臨床心理士】

 

▶就職活動の体験談

大学院生から心理職へ 資格取得見込みの就活体験記

 

大学院を修了する

忙しい大学院生活をなんとか乗り越え、無事に大学院を修了することができました。

あとは、公認心理師試験に合格することができれば、晴れて「公認心理師」になることができます。

 

公認心理師試験を受験する

M2の3月に公認心理師試験を受けました。修論を提出し終わったのもつかの間、あっという間に国家試験がやってきます。

時間が本当になかったので公認心理師試験の対策は、短期決戦で勝負しました。

筆者の手ごたえとしては、ノー勉ではさすがに落ちる試験です。すきま時間を使いながら、少しずつ積み上げていくことが大切だと感じます。

 

試験対策や当日の様子についてはこちらの記事にまとめています。

公認心理師試験の勉強方法

【現役】公認心理師試験に合格した参考書と勉強法

 

▶当日の様子

受験者必見!公認心理師試験当日の持ち物と寒さ対策

 

3月末に合格発表があり、無事に合格し、公認心理師になることができました。

4月以降、公認心理師として働き始めることができます。この試験で不合格となった場合は、1年後に再挑戦することになります。

 

 

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まとめ

今回は公認心理師になるまでにやったことを全て書いてみました。

大卒資格者がAルートを狙う場合、最短で4年間かかる計算になります。資格を取るまでに必要な期間は長いですし、学費や生活費など金銭面のことも考える必要があります。

 

心理カウンセラーに興味がある人は、この本を読んで仕事や資格についてより詳しく情報を集めるのもおすすめです。

 

 

 

私は運がよく、最短ルートで公認心理師になることができましたが、情報収集に力を入れ、かなり計画的にこなしてきたと考えています。

このブログやnoteには、公認心理師を目指していた時に知りたかった情報を筆者の視点から体験談をもとにまとめています。

 

キャリアについては、人それぞれなので、通信制大学を数年かけて卒業するのもよいし、大学院受験時に浪人しても良いと思っています。

この記事がこれから公認心理師を目指している人の参考になれば嬉しいです。

 

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